商品・サービスがあふれかえる現代の市場において、競合他社との差別化を図るブランディングがますます重要になってきています。
前回のブログ「中小企業がブランディングに力を入れるべき理由」では、B to C商品ブランディングと比べB to B企業ブランディングは価値観・従業員・文化・伝統・企業風土・強みなど多くの要素から構成されるため、差別化が図りやすいブランディング手法であるということ。
そしてこの企業ブランディングに力を入れることで次々とたくさんのメリットを生み出し、マーケティングの強化になるということをご紹介しました。
では実際に企業ブランディング構築していく上で必要な要素は何でしょうか?
企業ブランディング構築には3つのカギがあります。
・ブランドアイデンティティ
・ブランド提供の価値
・企業のストーリー
では引き続き、実際に企業ブランディングを行っていく上で重要な要素を1つづつご紹介します。
まずはブランドアイデンティティ・プロミス・パーソナリティをしっかりと組み立て、企業が魅せたいもの、自分たちが大切にしているものなどブランドの特徴を言語化、ロゴ、キャッチコピーやキャラクターにも一貫性を持たせて表現をすることです。
そしてブランド独自の価値と顧客が持つ心象(ブランドイメージ)を一致させる活動をおこなっていくことです。
・ブランドアイデンティティ
顧客目線でのポジショニングマップを作成する
・ブランドプロミス
何を約束できるのか明確にする
・ブランドパーソナリティ
ブランド自身の個性やキャラクターを顧客にどう捉えて欲しいかを考える
顧客から愛着や親近感を感じてもらい、商品・サービスのシンボルを製作していくことで企業名、商品名だけで顧客が共通のイメージを持ってもらうことが理想です。
強い企業にはブランド価値があります。
価値とはどのくらい大切か、またどのくらい役に立つか、その値打ちのこと。
つまり、ブランド価値とは、顧客がブランドから感じる喜び、安心、大切に思うことです。
いずれか、また組み合わさったものを企業がステークホルダーへ発信し、その価値に共感共鳴したものがブランドとなって認知されていきます。
さて、あなたが顧客だとしたら、受け取る商品・サービスにどのような価値を求めるでしょうか?
1機能的な価値
品質や性能の良いものは安心を生み、ユーザビリティや利用用途の広い物は欠かせない存在となって顧客の定着を招きます。
2感性の価値
私達は人間である以上、商品・サービスのデザインやパーソナリティに対し、直感的な選びやすさを優先する。
その感性や感覚に合った商品を手に入れた時、人は喜びと満足感を得ます。
3感情の価値
人は必ずしもその「物」だけで価値を判断しないものです。
「物」の価値は同じでも、そこに付随するアクセサリーのような実感、体験は顧客の受ける感情を変化させます。
4共感の価値
人はそれぞれに自分の価値観を持っています。
その自己の価値観を表現するにふさわしいものとしてブランドを意識することがあり、その「物」を手に入れた時、単なる利便性だけでなく、自尊心を満たしてくれるものとして、人は感情移入します。
この価値は企業の考える価値ではなく、顧客のとっての価値でなければなりません。
今、顧客が求めるこの価値は機能的から情緒的へと移ってきています。
つまり企業はProductではなくStoryづくりの重要性がでてきました。
競合他社の商品・サービスとは異なる自社の特徴や価値を伝えようとすると、やはり機能や効率性、利便性などのスペックを重視すべきだと考えてしまいがちです。
しかし今、求められているのは企業のストーリーや経営者の強い情熱。
中小企業は経営の中心的役割を担う社長の力が企業の力として見られることも少なくありません。
その思いやビジョンに共感するファンを増やしてブランドを確率させていくことが今後、企業を成長する上で重要な要素になるのではないでしょうか?
人は「なぜ?」に共感したときに動かされる、これは脳科学でも証明されていることです。
企業にとってこの「なぜ」とはビジョン、理念のこと。
ここをしっかり発信し、共感したときにこそ人は動かされる
ステークホルダーを惹きつけるため、自らの存在意義を発信する必要性はここにあります。
「なぜ?」を語る企業理念や背景をブランドの「ストーリー」として顧客や潜在顧客に明確に提示していくことが大切です。
情報発信の媒体にはウェブサイト・DMなどの紙媒体、SNS、イベント、店舗などがあげられますが、特にSNSでは媒体ごとにアクティブユーザー数やその属性、好まれる表現や投稿の性質が異なります。
Twitterは20代が1番多く男女比は半々ほど、Instagramは20代から40代が多く、女性の利用者が6割を占め、Facebookは40代が1番多く、男女比では男性がおおくなっています。
ターゲットにあった媒体を選ぶことで、PCやスマートフォンなどから顧客と早くから触れる機会を増やしていくこと、企業ブランドのストーリーに触れてもらえるのが早ければ早いほど効果があるといえます。
また、今は事前にオンラインである程度の情報を入手することができるようになりました。
Googleの行った調査ではBtoBの担当者のうち71%が基本的な情報の収集から始めると言います。
その後、専門的な情報が記載されたサイトも閲覧しますが、基本的な情報をよく精査できた会社の方が結果としてエンゲージメントが高くなるという結果が出ています。
BtoBでは、専門的な情報や機能的価値ばかりではなく、基本的な情報や感情的な繋がりを重視するコミュニケーションが求められているということでしょう。
それは消費者も同じ。
誰でも自分がどんな相手から商品を買おうとしているのか、サービスを受けようとしているのか、任せても大丈夫なのか知りたいものです。
その点をしっかりと踏まえて情報発信を行っていきましょう。
企業ブランディングがすぐに効果につながるわけではなく、実際に購入に至るまでにはやはり時間を要します。
企業によってはブランディングを発信する前の戦略の段階で数年を要し、そこからステークホルダーに認知されるのに数年かかります。
ブランドアイデンティティ、企業が提供できる価値、企業ストーリーの設計をしっかりと組み立て、企業理念や今後のビジョンをしっかりと伝えていくこと。
そしてそこに共感してくれた顧客とのエンゲージメントを高めて、心に届くメッセージ・ストーリーのあるブランドを発信していきましょう。