「戦略と戦術」言葉としては、似ていますが、その意味は、まったく違うものです。
ビジネスを長期的に安定させて右肩上がりにしていくためには、まずこの「戦略」と「戦術」の違いを知って、そして、それを正しく実行していくことが大切です。
また効率的で効果的なマーケティングをしていくには、戦略と戦術の違いを理解して正しくプランを構築していくこと。
今日は「戦略」と「戦術」についてご案内します。
「戦略」はWhat for、企業が成長を目指すために必要な方向性や考え方のこと。
戦略は会社が進むべき道筋を決定づけるものなので、企業にとって最重要な課題や問題に対して総合的な視点を持って組み立てていくことになり、日常業務で立てられる単なる目標とは異なるものということを理解しましょう。
「戦略」を立てる時には、まずは現状を調査・分析して企業の課題や問題点を洗い出し、これを解決するためにはどのようなことをすればよいのか、という基本的な方針をかためていきます。
この時に必要なのは基本方針だけでなく、どのような行動をするのかまでしっかり落とし込むことです。
一方で「戦術」はHow to、その戦略を実現するための具体的な手段のこと。
目標達成や売上向上のために日々行う取り組みや施策、マーケティングなど、戦略によって決まった方向性の実現に向けて、戦術によって具体化していきます。
戦略があって戦術がある、企業には戦略と戦術の両方が必要不可欠であり、どちらかが欠けたり、この順序を間違えてしまうと全体として整合性のない計画ができあがり、持続的な成長は難しくなってしまいます。
戦略をしっかりと落とし込んで一貫性のある計画を立てていかなければ、戦術を実行しても戦略の実現はできません。
戦略が実現できなければ、今抱える課題や問題をクリアすることができなくなり、経営改善はできません。
もう少し理解を深めるために、これらの違いを具体例でご説明していきましょう。
簡単にご説明すると、戦略は、外からは見えないもの、戦術は、外から見えるものということになります。
たとえば、一戸建ての住まいを建てるとき、設計図を描きます。
設計図は、どんな家を建てるのかの全体像・方向性を示したもの。
これが「戦略」です。
そして設計図という戦略をもとに、家を建てるという実際の行動を起こします。
設計図は、道行く人には見えませんが、実際の家を建てるという行動は見えている。
これが「戦術」です。
(戦略)設計図で決めた建築工法で、職人さんが素材をつかって実際に(戦術)家を建てていくということです。
次にこれをビジネスに当てはめてみましょう。
ビジネスを成長させるための
・設計図=戦略(外部からは見えないもの)
・設計図をもとにした行動=戦術(外部から見えるもの)
売上を上げるために、新規集客を企画しているとします。
その時に考えるべきなのが、どんなお客さまをどんな方法で、いつまでに何人集めるか、これをあらかじめ決めます。
簡単にいうと、これが戦略です。
WEBページやチラシをつくったり、FacebookやインスタグラムなどのSNSで情報発信をしたりする。
これが戦術です。
別の例でお伝えすると、お客さまのリピート購入数をアップさせることを企画したとします。どんな既存のお客さまを、どんな方法で、何回リピートしてもらうのか?
先に、こういったことを決めるというのは、戦略です。
そして、実際の行動を起こす、お手紙を送る、お電話をする、プレゼントを贈る、お誕生日ハガキを送る、ニュースレターを送る、既存客だけの特別キャンペーンを実施するなど、これらが、戦術です。
ビジネスを長期的に安定して右肩上がりにしていくために「戦略」を決めて、それをもとに「戦術」という実際の行動に落とし込む。
売上・利益の鈍化にお悩みでしたら、まず基本に立ち返って、「戦略」をもう一度練り直すことをおすすめします。
■ 営業戦略
営業戦略を立てる際に大事なのは、目標を数字で明確に定義し、目標を設定したあと、顧客や市場、競合企業、自社の戦力などを分析する、いわゆる3C分析を行うことです。
営業の現場は常に変化しています。
顧客の予算も変われば、他社が優れた新商品を投入してくることもある。
そのなかで自社が勝負できる商品にフォーカスし、どのような顧客を中心に、どのような売り方をすべきかを決めていく必要があります。
1.売上目標設定
2.環境分析(市場の動向・ビジネス、マーケティング環境とその変化)
3.競合分析(新商品の動向)
4.自社分析(強みの発見)
5.顧客分析
6.現状の課題と対応策を決定
■ マーケティング戦略
マーケティング戦略とは、「どんな顧客にどんな商品・サービスをどんな価格で提供するのかを定めること」です。
よほど独創的な商品・サービス以外は、基本的にどんなジャンルにも競合他社が存在し、自社の強みを把握した上で、市場にでなければ、似たような商品・サービスの場合は、顧客にとって「自社商品でなければならない理由」がありません。
そこでマーケティング戦略を効果的に行っていくには、他社にはない価値を提供し、自社商品でなければならない理由を作り出すことが重要になります。
1.環境分析(内部環境・外部環境を分析)
2.セグメントを細分化
3.誰に価値を提供するのか決める
4.どんな価値を提供するか決める
5.どのように提供するか決める
6.PDCAを回して改善していく
■ 販売戦略
販売戦略とは、自社の商品やサービスをどのような顧客に、どのような価格で、どのチャネルを通じ、どのようなアプローチによって販売するかを考えて、戦略としてまとめるものです。
勘や経験だけに頼るのではなく、なぜ売れるのか、なぜ売れないのかといった要因をキャッkン的に把握して次につなげていくことです。
デジタルが普及したことによって顧客との接点は多様化し、販売チャネルは複雑になっています。
効率的にアプローチし、成果を上げるためには、状況分析や顧客分析に基づいた一貫性のある戦略が必要になります。
1.現在の市場を分析
2.競合の状況を分析
3.顧客のニーズを分析
4.自社を分析
5.課題の発見と対策を検討
6.アクションプランを策定
7.3C分析
8.SWOT分析
いかがでしたでしょうか?
戦略と戦術の関係性は「長期的なシナリオ(戦略)の崎に細やかな計画(戦術)がある」ということです。
企業やビジネスは長期的に売上や利益を確保していく必要があります。
今、ビジネスの市場は目まぐるしく変化しています。
そんな中で収益を上げ続ける企業になるためには、しっかりとした戦略と、その戦略を実行するための戦術が必要です。
そのためには、まずこの戦略と戦術の2つの要素を正確に理解しておきましょう。