ダイレクトマーケティングとは、企業が顧客と直接1対1(One to One)でコミュニケーションをとりながら販促を行うマーケティング手法です。
CMや新聞などで一方的に発信するマスマーケティングとは異なり、1つまたは複数のメディアを使って反応を測定、顧客の反応から顧客のニーズを見つけ出し、双方向のマーケティングを行います。
多くの場合はデータ化された顧客情報を活用し、一人ひとりに合ったアプローチを可能にし、商品・サービスを販売した後も、継続してコミュニケーションを取り続け、段階に応じたアプローチをしながら、ファンになってもらうことを目指します。
とはいえ、結局「ダイレクトマーケティングって何?」と悩まれている方へ、今日は、このダイレクトマーケティングについてご案内します。
ダイレクトレスポンスマーケティングは、主に日用品を販売していた行商人によって考案された手法と言われ、15世紀ヨーロッパではすでにカタログを活用したダイレクトマーケティングが行われていたそうです。
1967年 Lester Wunderman(レスターワンダーマン)によってダイレクトマーケティングという概念が提唱されてから徐々に普及していきました。
彼の考案したものに「定期行動」「フリーダイヤル」「ロイヤルティリワード」などがあり、こうしたいくつかのダイレクトマーケティング手法は、今の時代にあったやり方でうまく応用すれば、今でも高い効果のでるものです。
1980年代、IT技術が進歩していくと顧客管理システムが発展していきます。LTV(顧客生涯価値)という短期的な顧客の刈り取りではなく、既存顧客との長期的な関係性を構築して収益の持続化をするための手法が構築され、1990年代に入ると顧客データや購買履歴のデータに基づきパーソナライズされたOne to Oneマーケティング手法が注目されています。
こうしてワンダーマンが言った「勘に頼るのではない科学的なアプローチ」を行うダイレクトマーケティングが徐々に広まっていったのです。
日本では1990年代頃にダイレクトレスポンスマーケティングが始まったとされています。おもに中小企業の間で取り入れられていたのですが、現在では全国規模の企業でも取り入れているところが多いです。
ダイレクトマーケティングの企業が顧客と直接(ダイレクト)にコミュニケーションをはかり、関係性を構築していくマーケティング手法のことです。
販売性の高いダイレクトマーケティングでは、顧客からの注文・問い合わせなどの反応を反映させ、LTV(顧客生涯価値)高めたり、顧客情報をデータ化し蓄積、その情報に基づいて訴求をすることが可能となります。
顧客との双方向コミュニケーション、One to Oneコミュニケーションが特徴です。
・チラシやカタログなどの印刷物
これらのサンプルを同梱することで新規開拓だけでなく、リピート顧客獲得にも効果があります。主婦や高齢者など在宅時間の長いターゲット層へのアプローチに適しているでしょう。
・メルマガやEmail
DMと比べて低コストで利用しやすいことがメリットです。
販促以外でも誕生日やお礼状など、日頃から顧客接点を増やし関係性を構築するためにも活用されています。
しかし昨今、1人が1日に受けとるメールの量があまりにも多くメールの開封率が低い傾向にあります。
読んでもらうには件名を工夫すること、紙媒体のDMと併用することでより効果が得られます。
・SNS
若い層にアプローチしやすいSNS上でやりとりをしたり、顧客の興味関心を引く情報を発信し続ければ、拡散がおこり、高い効果が期待できます。
・テレマーケティング
電話やFAXを活用した手法ですが、インバウンドとアウトバウンドの2種類がありますが、アウトバウンドコールは顔が見えない状態での勧誘となるので、警戒をされる可能性がありますが、今ではZoomを活用して積極的な提案が可能になりました。
近年ではECサイトなどで使われるリコメンデーションが注目されています。
Amazonのサイトをイメージするとわかりやすいかと思いますが、顧客の商品検索履歴や購入履歴、カート落ち商品を分析し、関連商品や類似商品を表示することで、顧客が必要とする情報を表示します。
それぞれにいえることは、顧客のニーズを捉え、それに合わせた媒体を選び、販促を行うということです。
①効果検証がしやすい
顧客と双方向・One to Oneでコミュニケーションを取るダイレクトマーケティングでは、顧客の反応や効果を分析し、数値で見ることができます。
リピート率やレスポンス率などのデータが明確に数値で分かり、その結果に応じて、顧客のニーズを把握し、対応策や改善策を考えることができます。
最大のメリットはPDCAをしやすいということです。
② 費用対効果が高い
ターゲットを絞り込まないマスマーケティングに比べて、ある商品を購入した顧客や興味関心のある顧客を絞り込み、ターゲットの属性に合わせた情報を提供するため、多くの見込み客を獲得することができます。
③リソース不足を解消
広告やカタログ、DMが営業活動を行ってくれます。
これらDMやコールセンター機能自体も外部の業者に依頼することも可能なため、少人数でも行うことが可能です。
④安定した収益につながる
顧客の購買・行動履歴のデータを蓄積し、それを元にDMやメールでリピート購入を促したり、定期購入のようなストック型ビジネスによって売上の継続か・安定化を図ることができます。
①効果が現れるまで時間がかかる
Webや顧客データベースの構築、広告費などの初期投資が必要になります。
顧客の反応があってこそのダイレクトマーケティングです。
データが蓄積され、反応に結びついてからは、根気よく効果検証を行ってサイクルをつくっていくものですので、投資費用の回収に時間がかかる点についても押さえておきましょう。
②常に新しいものを!
マスマーケティングのように1つの広告を大衆に向けて出すのではなく、属性や年齢、性別など顧客に合わせて広告の見せ方・表現を変えていく必要があります。
常に新しい流行や時代背景、市場背景を意識し、ターゲットが見やすい媒体、興味関心を持ってもらえるような内容を提供しなければ意味がありません。
劣化が起こらないよう常にアンテナをはっておくことが大事です。
いかがでしたでしょうか。
ダイレクトマーケティングとは、中間業者を介さないため企業が顧客に直接コミュニケーションを取るマーケティング手法です。
利益率が高くなるうえに、顧客のニーズを把握しやすく、長く信頼関係を築きやすくなります。
歴史ある通販、FAX電話などの歴史あるマーケティング手法に合わせ、近年では、WebサイトやSNS、メルマガなどのデジタルチャネルを活用した手法も取り入れられるようになりました。
紙のDMなどは消えていくと言われてきましたが、今では顧客を惹きつけるクリエイティブなDMが有効活用され続けています。
MAやCRMなどのデジタルツールも比較的手軽に導入ができるようになり、小さな企業でも顧客データベースの管理が簡単にできるようになりました。
現在のダイレクトマーケティングは手法が多様化し、データ活用も簡単にできるようになったことから、重要な販売戦略の1つとして注目されています。