多くの企業が新規顧客やリピーターをどう増やしていくかという問題を常に抱えています。
この課題を解決するには、まず顧客の理解を深め、顧客の欲望・欲求を知ること。
その欲望・欲求に応える、有効と思われるマーケティング施策を打ち出す必要があります。
ターゲットが曖昧では、購買率や顧客満足度を高めることはできません。
・誰にアプローチをしていくのか、ターゲットをしっかり定めること。
・効果的に集客し、安定した顧客数を増やしていくには、顧客の分析をまず行うこと。
この2点が大切になります。
そして売上を第一に考えれば、売上貢献度の高い顧客にとって魅力的な商品・サービスを開発し続けることで、長期的な成功につながることになるのです。
今回は、顧客分析を行い、効果的に集客に活用するための方法についてご案内します。
顧客分析の目的は、現状の把握を行い、自社の顧客傾向を捉えて、商品・サービスの改善をすること。
分析を数値化することで、不必要なマーケティング費用の削減、効果的な施策の立案に役立ちます。
せっかく、何度も購入頂いている顧客を得ても、すぐに自社から離れて競合他社へ流れてしまっては意味がありません。
顧客のニーズを探って満足の行く商品/サービスを提供していけば、しっかり囲い込みを行い、安定した売上維持につながります。
また常に新規顧客の開拓を図り、顧客を補充していくことも大切です。
この顧客分析をしっかり行っていくことで、自社が実施している取り組みにどのくらい効果がでているのか、効果が出ている施策であれば継続することもできますし、課題が発見されてば、改善策を検討し、新たな課題はないかといったチェックもできます。
これを繰り返し行っていくことで、顧客の定着、また新しい顧客の獲得にもつなげていくことが顧客分析の目的になります。
顧客分析にはたくさんの方法がありますが、今回は代表的な2つの分析方法を紹介します。
・デシル分析
デシルはラテン語で10等分という意味があり、顧客リストを商品購入またはサービスの利用金額を多い順に並べていき、10個のグループに分けて分析を行います。
まずはデシル1からデシル10まで分類した後、2:8の原則を確認します。
2:8の原則とは?
これはパレートの法則といい、19世紀にイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが様々な国や時期の国民所得配分について調査したところ、「人口の20%が、富の80%を所有している」ことを発見したことに由来する法則です。
法則というより、統計からの分析で、身近な例でいうと、Excel利用者の8割はExcel昨日の2割しか使いこなしていない、普段着る服の8割を自分のお気に入りである服の2割で着こなしている、といったものがあり、経験則の類で、重点的に施策する商品・サービスや事業、顧客を把握したい時に使われています。
①ここでは、デシル1から10までの売上の累計構成比率が2:8になっているかの確認をし、偏りがあった場合にはDMを発送するチャンスになります。
②デシル1の特徴を見つける(来店回数や単価が他のデシルグループと違う点があるか?)
③上位・中位・下位に何をすれば良いか施策を考える
デシル分析は非常にシンプルな方法で、初心者でも比較的実施しやすいのがメリットです。
ただ、気をつけなければならないのは、利用が1度だけでも、利用金額が高額だと上位グループに入ってしまうという点です。
・RFM分析
RFMはR=Recency最新購買日、F=Frequency購買頻度、M=Monetary累計購買金額の3つの情報をもとに行う分析です。
この分析から・優良顧客・優良予備軍・カムバック顧客・ランクアップ顧客・新規顧客・一見客・離反客が見えてきます。
①各ゾーンの偏りがないかを見る
一見客や離反顧客の比率が大きすぎないか・・・優良予備が少ないか・・・など
②偏りを見つけたら、各ゾーンの対策を考える
何をすればアップセルにつながるか・・・クロスセルにつながるか・・・ということを念頭にDMに特典をつけるなどしてアプローチしていきます。
こうした基本的な顧客分析は、まず自社が接点を持つべき顧客について知ることができます。
顧客分析だけにとらわれることなく、顧客定義や顧客ニーズを把握し、顧客分析を掘り下げていくことも重要なポイントです。
購買率や顧客満足度を高めるためには、商品やサービスがなぜ買われたのか、あるいは買われなかったのかを明確にし、その結果に至るまでのプロセスを洗い出す必要があります。
例えば、価格の高さがハードルと感じて購入しなかった顧客と、商品に魅力を全く感じずに購入しなかった場合とでは、顧客のニーズは異なるため、異なった施策が必要になります。
顧客分析はこの違いを明らかにする役割も担っており、前述した顧客の特定とあわせて今後の事業戦略を最適化するうえで効果を発揮します。
顧客ニーズと合わせて把握しておきたいのが属性です。
年齢、性別、仕事、家族構成、住んでいる地域などの情報や、さらに顧客の持つ価値観、趣味やライフスタイルなども把握できればよいでしょう。
属性という基本情報から、感情的な部分までの顧客像を明確にしておけば、どのような顧客にどのような商品・サービスのアプローチをしていけばよいかがわかり、さらなる集客の効果が期待できます。
顧客が企業を選び、利用するに至るには相応の理由やきっかけがあります。
顧客がなぜ自社の存在を知り、商品を購入したりサービスを利用したりするのか、選ぶ理由やニーズを感じている点について掘り下げてみましょう。
そうすることでさらに顧客に寄り添うことができ、顧客にとってより魅力的な商品やサービスの開発が可能になります。
定義を決めたり、ニーズを把握するにはいくつかの方法がありますが、最もカンタンで有効なのが、アンケートの実施、または自社の営業マンがいれば、顧客に直接伺ってみるのも手法の1つです。
基本的な顧客分析を行い、属性やニーズについて把握したら、実践し、自社の業績アップや集客につなげていくために必要な考え方があります。
分析の結果、見えてきたニーズに応えるための付加価値の高い情報提供を意識していくことが大切です。
顧客によってはもっと高額な商品でも購入を検討できる場合もあるでしょう。
中には、さらに上のランクのサービスを求めている顧客もいるかもしれません。
利用開始時とは家族形態が変わるということも十分あり得ます。
顧客のニーズをただ探るだけでなく、常に、顧客分析を行い、それをもとに新しい商品やサービスの情報提供を的確に行い、利用につなげていくことを心がけましょう。
いかがでしたでしょうか?
顧客分析は企業の経営において重要なものです。
現代では、顧客分析を容易に行えるマーケティングツールが広く普及しています。
顧客分析は、顧客の特徴や購買に至る経緯などを明らかにする過程であり、1度やっておしまいではなく、継続して行うことで、顧客のニーズを読み取り、売上を増加させたり、新しい製品開発などに役立つとされ、現代のマーケティング活動では顧客分析が必須といわれるようになっています。
顧客分析の方法はさまざまですが、大切なのは分析結果を上手に集客につなげていく企画力といえます。