〇〇世代とよく耳にします。
その世代が生まれ育った時代や社会的背景が、私達の消費行動や価値観全体に影響を与えていると考えられており、アメリカのマーケター達が2000年頃から提唱しているものです。
世代の定義は一定しておらず、多少年代が前後しますが、「X世代ー1965年〜80年」「Y世代ー1981年〜96年」。
最も新しい世代が「Z世代ー1997年〜2012年」と言われています。
日本の抱える問題、少子化は30年後もおそらく変わりませんが、1つ違うのはデジタルネイティブ世代の層の割り合いです。
Z世代と呼ばれる彼らは、生まれたときからデジタル機器に触れて成長してきました。
それらを使いこなすデジタルネイティブである人たちが2050年では人口の半分を占めるといわれています。
デジタルに高い親和性を持ち、デジタル化は急加速するのが、予想されるほぼ確実に来る未来。
では今日はZ世代に着目し、Z世代時代に向けたマーケティングとは一体、どのようなものになるのかをご案内します。
目次
ことばを話す前からモバイル機器を手にして、動画を見ながら育ち、現実の世界よりもデジタルの世界で生活することに慣れているデジタルネイティブの第一世代です。
彼らZ世代にはどのような特徴があるのでしょうか?
・初めて持った携帯はスマホ
・授業でパソコンやタブレットを使用
・生まれたときからインターネット中心の生活
・SNSで人と繋がることが当たりまえ
・所有にこだわらないシェアリング
・モノ消費よりコト消費
・新しいデバイスや機能に順応
・大量の情報を徹底的にリサーチ
・多様性を尊重、複数アイデンティティを保有
・お金やキャリアについて保守的な考え方を持つ
・人種や性別にリベラルで自然体を好む
・娯楽や経験に多くのお金を払う
・場の意見に同調する傾向がある
・SNSの投稿を目的に行動することがある
・ブランドよりも自分らしさを大切にする
消費に対してあまり積極的ではないという見方がある一方、自分達が好むモノよりコトが消費行動のきっかけとなるケースが少なくありません。
このような価値を持つ人たちが大半の世の中になり、このZ世代をターゲットとしてマーケティングはどのように変化するのでしょうか?
まずはテクノロジーへの関わり方ですが、ミレニアル世代はメールに非常に馴染みのある世代であるため、情報共有はテキストが中心です。
一方でZ世代はミレニアル世代が好むFacebookとは違い、絵文字や動画、画像のビジュアル中心で、Youtubeなどで多くの情報収集を行います。
またZ世代はセキュリティやプライバシーの保護に敏感に反応し、SNSで情報を共有する場合もインスタグラムのストーリーやSnapchatなど、動画や画像が10秒程度、数日で投稿が消えてしまう機能を多用しています。
では価値観や消費行動への関わり方はどうでしょうか。
ミレニアル世代は楽観的で理想を追い求め、現在を重視する傾向があります。
一方でZ世代は現実的で現在より将来を重視する」という対照的な価値観を持っています。
自分自身を大切にし、理想的な体験や経験のためであれば、その分、お金を使うこともいとわない、自己中心的なミレニアル世代に対し、私達の視点からコミュニティーを大切にするZ世代。
常に、将来”私たち”がよりよい生活を送れるということに非常に重きを感じ、健康や環境、社会に配慮したライフスタイルを好みます。
まずはZ世代の行動傾向として、実質的な利便性の高いもの、健康、環境、社会に配慮したもの、例えばコストパフォーマンスもよく、便利で環境にもよいシェアリングエコノミーサービスやフリマはZ世代に支持され、ブランド性や高級感には、Z世代はあまり魅力を感じません。
ネットリテラシーが高いZ世代ではありますが、必ずしもショッピングをオンラインで完結させているわけではなく、モノではなくコト(体験)を重視しているため、実際に商品に触れ、場の雰囲気をリアルに感じることを好み実店舗での購買行動を好む傾向が強くあります。
コトを重視する傾向にあるにも関わらず、「好きなものを好きなときに、好きなお店で買いたい」という実利的な考え方から、ブランドがユーザーと密接な関係を築くロイヤリティ・プログラムなどにも関心がないのも特徴的な行動傾向です。
このZ世代の心を動かすものにレトロブーム・アナログブームがあり、彼らは「本物」を感じられるもの、また、「本物」を感じられるアナログの商品(レコードやチェキなど)に注目しています。
何事においてもWe”私たち”を強く意識するZ世代に向けたメッセージには、皆が共感できるメッセージ、その中に自分ごととして捉えるリアルさ、多様性の肯定を意識して行うことが重要だと言えます。
方向性としては、「自分らしさ」や「達成可能性」がキーワードになります。
ブランドに紐付いた特定の理想イメージを発信するよりも、このブランドであらゆる自分らしさを実現してほしいといった見せ方がZ世代には刺さりやすいでしょう。
SNSネイティブのZ世代の販促メディアには、InstagramとYoutubeを積極的に活用したいところですが、情報をシェアする範囲を限定しているため、Twitterでバズらせるといった戦略は向きません。
情報収集にインターネット検索を使わないため、SEO対策などの考え方は通用しない可能性もあります。
若いデジタルユーザーの多くは、広告ブロック技術を端末機にインストールしており、デジタル広告に邪魔されないようにしているため、今の広告は、このような特徴のZ世代とミレニアル世代の50%に、彼らが最も購買意欲の高いタイミングでリーチできていません。
デジタルコミュニケーションしか体験をしたことのないZ世代は、大量に供給されるデジタルコミュニケーションに飽き始めており、アナログブームからも、紙DMが新鮮な印象を持ち、好意的に受けています。
今後、Z世代にマッチした手法として、紙DMは、彼らの購買力が高まる時に大きく影響を与えるツールとなっていくに違いありません。
いかがでしたでしょうか?
今ではデジタルとアナログも縦横無尽に行き来するカスタマージャーニーになっており、デジタルとアナログを組み合わせたマーケティングの考え方が広がって、成功事例も出始めてます。
Z世代の特徴や価値観から、新たなターゲットとして考えられる異質な組み合わせとして、デジタルネイティブ世代に向けたアナログアプローチがあるのではないでしょうか。
これまでとは違ったアプローチも視野に入れつつ、Z世代へのマーケティング戦略を考えていく必要がありそうです。