「DM」はいわば会社のドアのようなものです。
そのドアを開けてもらわなければお客様をお迎えすることはできませんよね。
まさに「DM」=ドアを開けてもらう仕掛けをドアオープナーまたはグラバーといいます。
その仕掛けとは、ダイレクトメールの封筒の中に物を入れて膨らみをつけることによって、受け取った人は「何が入っているのだろう」とつい開封して確認したくなってしまう心理をついたもの。
圧着ハガキなど、隠されているものを見たくなる心理と同じです。
開封率の良し悪しはDMキャンペーン成功の重要なポイントであり、開封率を改善することで、レスポンス、コンバージョンの反応率の向上につながっていくと言えます。
さらに反応率をあげるためにはデジタルツールを使ったフォローアップや、行動喚起を促すDMコピー・セールスコピーなど、さらなる仕掛けが大切になってきます。
今日はそのドアオープナーに注目し、どのような仕掛けができるのか一緒に考えてみましょう。
人は他人から何かしらの施しを受けた場合、お返しをしなければならないという感情を抱いたり、何となく恩を受けて何もしないと落ち着かないという気持ちになる、その心理のことを返報性の法則と言います。
まさにこのドアオープナーの仕掛けは人間の持つこの心理を利用した販売促進戦略というわけです。
封筒DMで自分にとって良いものが送られてきた場合、この返報性の法則が働き、行動を起こしたくなるのですが、逆に、求めていないものを差し出された場合、残念ながらこの心理は働きません。
では、その返報性の法則を引き出すドアオープナーはどのようなものがあるのでしょうか。
最も大切なのは、会社の商品・サービスとドアオープナーを関連づけること。
ドアオープナーを入れることで開封率は確実にUPすると思いますが、宣伝したい商品やサービスの内容をしっかりDMと関連付けておかなければ反応率へ結びつかず、せっかく送っても全く意味がありません
例えば、電気屋さんならPC販促に関連した「スクリーンクリーナクロス」などいかがでしょう。
住宅販売ならば「住まいの掃除マメ知識」などの小冊子。
学習塾ならオリジナル単語帳や暗記シートなど。
資産運用の金融機関であれば、来店促進させるための資産運用ハンドブックなどでもいいですね。
コスメやサプリ系の商品であれば無料サンプルは最高のドアオープナーです。
商品を無料提供してくれたことに、企業へ好印象を持ってもらえることに間違いありません。
ボールペンなどの筆記用具などは日常に使えますし、例えば同封した申込書やアンケート記入用として使えるので、業種を問わず便利なアイテムです。
その他に、押し花・花の種・携帯ストラップ・お守り・カレンダー・金券・小物入れ・鈴・石鹸・お箸・入浴剤などアイディアは色々あります。
最高のサービスは顧客を驚かせること、それこそが顧客満足につながっていきます。
コストと価格のバランスを考え、費用対効果を前提に気の利いた、かつコストの安いアイテムを十分な作戦を練って、考えてみて下さい。
*ただし。定形郵便の封筒の厚さ1センチメートル・重さ50g以内のの制限があることをお忘れなく!
その他の仕掛けと併用することで開封率も反応率も同時にあげることができます。
・封筒に窓をつける
封筒の窓から何かが見えていることで相手の興味をよりかきたてる効果があります。
・イラストやマンガを封筒に描く
今、トレンドなのは、わかりやすくイラストやマンガを封筒に描いたり、間違い探しなどの手軽なゲームの誘い水を使ったものです。
・頻度をあげる基本戦略
新規顧客にではなく、1度接触にあった顧客にDMを出す場合には、頻度をあげることも基本戦略。
DMが届く度にタスクが徐々に完成されていき、最後、完成されたタスクに行動喚起をさせる仕掛けをするのもおもしろいですね。
・開封しやすい工夫をすること。
物理的にDMのを開封する工夫をすることは基本。
例えばDMをめくりやすい構造にしたり、ミシン目に加工を入れる。
小さな工夫で受取り手は労力をかけずにDMを開封できるので、自然と開封率はあががるはずです。
いかがでしたか。
DMを作って送るだけであればそれは単なる業務にしかなりません。
しかし、どうしたら開封してもらえるか、どうしたら反応してもらえるかと考えてDMを作ることはとても創造的で、興味深い仕事だと思いませんか。
わずかなレスポンスの差が売上げにも大きく影響する中小企業様にとって、DMキャンペーンは単なる業務ではなく、丁寧な仕事として心がけたいものです。