インターネットやモバイル機器などIT技術の発達によりデジタル化が進み、今、現代人が目にする情報は溢れかえっている一方で、人間の脳の容量や機能は変わらず、1人が1日に処理できる情報量には限りがあります。
そこで現代人が行っているのは情報の取捨選択。
皆さんもご経験があるかと思いますが、メールは件名だけ見て削除、ほとんど開かず放置かすぐさまフォルダーに振り分けられるよう設定する。
そんな現代人に情報をできるだけ確実に届け、伝える方法として「紙によるDM」が今、また注目を集めています。
そんなDMの特徴のひとつが、開封率の高さです。日本ダイレクトメール協会が2021年に実施した調査によるとDMの開封率は約79.5%。メールの開封率が約20%程度ですので、約4倍の開封率です。加えて行動喚起に繋がりやすい点も特徴として挙げられ、DMを受け取った2割以上の人が何らかの行動をしたという調査結果も出ています。
そして顧客とのコミュニケーションには、DMが非常に相性のいい営業ツールです。
では実際にDMを制作する上でどんな点に注意すれば効果的なDMになるのでしょうか。
本日は効果的なDMにするポイントをご案内します。
DMはDirect Mailの略でその名のとおり、ダイレクトに個人や法人宛てにメッセージや資料などを送付する手段で、封書やはがき、圧着はがき、近年ではOPP封筒などが用いられています。
封書の場合にはカタログやパンフレットなどの印刷物、CDやDVDなどのメディアを同封できるため、資料送付の有用な手段として使われています。はがきは、案内状やお礼状など、圧着はがきでは、個人情報を隠してお届けできるため公的機関からのDMで使われています。
また、伝えたい情報量に合わせて媒体を選べる点もDMの特長の1つです。
多くの情報量を送りたい場合には封書で、視覚でアピールするならはがき、圧着はがきにして情報量を増やし、人間の隠れているものは見たくなる心理を刺激したり、さらなる隠れた情報を大判圧着はがきでインパクトを与えることもできます。
すぐに真似されてしまうデジタル媒体のデザインと比べ、紙媒体のデザインは独自性を出すことができます。人間の五感に訴え、魅力を上手にアピールできれば、顧客の目を引き、特別感やお得感を与えることで、より大きな効果を発揮することができるのがDMの最大の魅力です。
「いつ・誰に・何を・どのように」がDM製作の大事な柱であるということは、皆様も耳にしたことはあると思います。これらを明確にしないとDMは失敗しやすくなります。
【いつ】
DMの効果を上げるには発送するタイミングも大きく影響します。
せっかく良いDMを制作しても、タイミングを間違えてしまうとお客様に目にしてもらえず、効果が薄れてしまいます。
・連休中は避ける
お客様は休暇中の予定で忙しくDMを見ている暇はありません。
・個人宛てDMは木曜~金曜に届くのがベスト
週末の休みにゆっくり目を通し、家族とも相談ができます。
・会社宛てDMは週初め(月曜)に届くのがベスト
休み明けリフレッシュした気持ちの月曜には新しく届いたDMを確認してもらえる可能性が高くなります。
・1月、4月、9月など節目を狙う
お客様の心が一新する1月や4月、また長い夏休み明けの9月などはビジネスが活発になりDMにとっては好機です。
・特異日を見逃さない
顧客の最近の購入日やお誕生日、記念日などを考慮するとより効果が期待できます。
【誰に】
DMを誰に送るか。顧客を分類して、ターゲットを決める。
これはDMの成功の是非を決定するDM制作する側にとっては永遠のテーマです。
時代の変化に伴い、情報過多の現在では、これまでのようにDMを大量に送ったからといって効果が出るというものではありません。DMはお客様1人に宛てた手紙。1対1のパーソナライズされたコミュニケーションを演出することが何よりも大切です。
どのリストを使い、どのようにセグメントを行うのか。
このターゲットによって顧客の心を掴むようなキャッチコピーを考える必要もありますし、アプローチやオファーも変わってきます。
【何を】
「何のためのDMなのか」という目的をはっきりさせます。
新商品の案内、認知なのか、休眠顧客に再来店を促すためなのか、お礼をお伝えする、アンケートに答えていただく、お問い合わせをしていただく、会員登録していただくなど、その目的を明確にし、送った相手にとって欲しい行動をしっかりCTAに設定します。
こうしたCTAに繋がる文章作成や紙面デザイン、動線設計を行うことが大切です。
【どのように】
コピーライティングやデザインなどDMをどう作っていくか、このようなクリエイティブもDMの成功の大切な要素の1つです。クリエイティブの目的はただひとつ、レスポンス率をアップさせ売上げアップにつなげること。イメージ広告との違いをしっかり認識して、DMのクリエイティブはセールス活動そのものであると意識しましょう。
・ベネフィットをしっかり明確に魅力的に表現する
・オファー付きにする
・顧客がすべき行動、CTAを明確に
・わかりやすく
・パーソナルにエモーショナルに!
DMは不特定多数に向けたものではなく、リストにあるお客様1人ひとりに向けた1対1のコミュニケーションツールです。手書き仕様にしたり、バリアブル印刷で可変を行ったり、個人のお名前をDMの文頭や文中にいれるなど特別感や親密感を意識しましょう。
いかがでしたでしょうか。
今日はDMを制作する上で大切にすべきポイントをご紹介させていただきました。
商品やサービス、業界などによっても成功要因は変わりますが、大切なことは、DMが手紙(=お客様、個人とのコミュニケーションツール)であるということです。送る相手の気持ちに寄り添って、顧客視点で制作することできっとDMの効果が実感できるはずです。
デジタル全盛の昨今ですが、「オンラインか、オフラインか」ではなく、どちらも選択肢として複数の施策をターゲットや戦略に合わせて使い分けていくことが重要です。
ぜひ、DMもご活用ください!