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ラダリング法を活用したマーケティング

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神経科学や心理学を取り入れた学際的なマーケティングアプローチ手法を開発しているジェラルド・ザルトマンの言葉に「人間の心理の95%は無意識である」という言葉があります。

ラダリング法は、商品・サービス、ブランドが持つ属性・特徴が「顧客のどのような価値観につながり、評価されて購買に結びついたのか」を明らかにし、商品を選んだ潜在的理由を把握するための調査手段のこと。

このラダリング法を使えば、無意識の領域に踏み込み、お客様の価値観やニーズを明らかにし、ブランドの価値構造を探索したり、広告メッセージから感じるベネフィット構造などを表現する際に役立ちます。

本日はこの「ラダリング法」をご案内します。

□ ラダリング法はどのように進める?

①まずは商品・サービスのスペックを考えます。属性的価値、具体的に「何が好きか、何をしてもらえるか、何ができるか」などです。

②次にでは「なぜ、それが必要なのか?」「その機能によってどうなるのか」直接目的とする機能的な価値(例:高精度、信頼性など)を考え、機能を明らかにします。

③そしてお客様が充足を望んでいる固有の情緒的な価値(例:誇れる、安心できる)などの情緒的価値を考えます。

④最終的にお客様の価値観=お客様にとっての満足は何か・・・という生活価値、ベネフィットへと掘り下げていきます。

例えば、カフェで考えていきましょう。

属性的価値は落ち着く・居心地の良い空間
機能的価値はやわらかい照明・ちょうどよいボリュームの音楽
情緒的価値はコーヒーの香りでリラックスでき仕事がはかどる
生活価値は仕事で成果ができる

このように具体的で基本的概念から、上位の抽象的な概念へはしご(Radder)を昇るように考えていくのでラダリングと言います。この手法を使うことによって「お客様がどんな心理的欲求で製品を選んでいるか」を知ることができ、より深い購入動機、真のニーズ(価値観)をつかむことができます。

飲食店へのお客様のニーズは、料理の質、コスト、会食の楽しさ、接客サービス、利便性など様々ありますが、これらを総合的に満足いただけたとしても、お客様の価値観にフィットしていないとお客様の心に響く満足は提供できません。

そこでこのカフェの真のニーズ(価値観)が、「満足の行く仕事のできる空間」と考えると音楽の選び方や、テーブルや椅子の配置、照明など様々な価値強化のためにすべきことに気が付くことができます。

製品やサービスは様々な価値を提供しますが、どれもが「まあまあ満足」で、心に響く満足体験がないと、再来店や口コミに繋がることはありません。お客様の価値観にフィットし、強い印象を与えられる価値体験を提供することで、お客様にファンになってもらい、ファンになったお客様は商品・サービスを使い続けて下さるのです。

□ メリットとデメリット

メリットとして、表面的な価値ではなく深層心理に潜むニーズ=価値観を引き出すことができ、その価値強化に焦点をしぼり改善したり、何を行うべきかが明確になり、迅速な決断につながります。

また、価値の明確化と強化を行っても、価値の提供方向がバラバラになっては、結局はお客様満足は得られません。この時、生活価値にコミットすることで一貫性の高い価値を提供することができ、お客様の満足度を高めることに繋がります。

一方デメリットとして連想を繰り返すために、漠然とした答えになりやすく、上位概念に近づくほどそれが正しいものなのか迷いが生じやすくなります。また、深く掘り下げていくために、時間がかかり、答えが出ないままという事になりかねません。

そのような時の解決策の1つに「評価グリッド法」というものがあります。

 □ 評価グリット法とは?

ラダリングの派生系の一つで、ラダリング法が一つの「商品・会社」についてのイメージの連想だったのに対し、評価グリット法は、2つの製品の対比から「価値観」を導きます。

 その手法は、 2つの評価対象を示し、どちらが好ましいかを判断することからスタートします。
例えば「当社のカフェとスターバックスとだったらどちらをよく利用するか?」を考えます。そして「なぜそちらを選んだのか」の理由から機能的価値や情緒的価値が導き出されます。

「なぜそう思うのか」からは価値観が、そして「そうなるには具体的には何が必要か」からは属性的価値がわかります。

この評価グリッド法はラダリング法と比べて、2つのものを比較するため、頭の中で具体的なイメージが起こり、結果として具体的な返答が得られる点、まず情緒的な価値が理解できるため、時間的にも短縮することができます。

これらのラダリング法・評価グリット法をうまく利用し、お客様の「価値観」を掴んでみてください。

□ ラダリング法とマーケティング戦略

ではこのラダリング法をどのようにマーケティングに活かしていくのでしょうか。

まずは自社の商品・サービスに対する顧客の中のイメージを把握し、どんな点に魅力を感じているかがわかることで、今度のブランド戦略の方向性を定めたり、訴求するポイントを絞ることができます。中には作り手が意図としないイメージや魅力を発見することで他社との差別化施策に繋がったり、他社商品と比べて自社の立ち入りの理解を深めることにもつながるでしょう。

このように自社の商品・サービスに対する顧客の考えを把握することで、強みを維持した商品・サービスの拡張や新商品開発、または不要な訴求を省け、よりブランドイメージを確立させることにも役立ちます。

より効果的な訴求は今後のマーケティング戦略を考える上での良いヒントとなるにちがいありません。

□ まとめ

いかがでしたでしょうか。

ラダリングとは、顧客の真のニーズや重視する要素=価値観を明らかにするための調査手法です。

ラダリングを適切に行うことで、断片的にでも消費者の頭の中を覗くことができ、表面的な理由ではなく、購入動機の奥にある本当の価値やユーザー自身も気づいていなかった情緒的な価値を明らかにすることができます。

この最終的な価値観を発見することで、その価値提供のために改善すべき点や強化すべき点、その後のマーケティング戦略を考える際の効果的な訴求を生み出すヒントが得られます。

ぜひこのラダリング法をマーケティングに活用していただきたいと思います。

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