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ニューロマーケティングとは?脳科学の影響力に迫る!

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『心脳マーケティング』の著者・ジェラルド・ザルトマンは、人間の思考や行動のうち意識下での自覚はわずか5%に過ぎず、残りの95%は無意識だと言います。

何らかの行動に対し、瞬発的で無意識な態度変容を心理学では「ヒューリスティック」と呼び、このヒューリスティックは、人間の購買活動においても、無意識に有望商品を絞り込みを行っています。つまり、この「無意識の心理ルール」を理解せずにマーケティングを考えても消費者を動かすことはできないと言えます。

そこで、この無意識の部分を理解するために考えられた手法が脳科学の知見を取り入れ、顧客の心理や行動原理を分析しマーケティング施策の立案に役立てる手法・ニューロマーケティングです。

今まで、マーケターにとって顧客の感情や単純なアンケートに現れない顧客の気持ちは分析し得ないものでした。 しかし、その分析を徐々に可能にしてくれているのがニューロマーケティングなのです。 

本日はニューロマーケティングの仕組みやそれが可能にしてくれることをご案内します。

□ ニューロマーケティングとは?

これまで、顧客の行動を分析する上で、アンケートやヒヤリングなど従来の行動分析手法が試みされてきましたが、顧客が無意識のうちに感じている本音を引き出しづらいという課題がありました。
しかし、脳科学の発展により、脳の反応を計測し、顧客の心理や好みなどを把握し、マーケティングに取り入れるということが可能になりました。

ニューロマーケティングは、技術が進歩した脳科学分野によって、生体信号の計測を通じて消費者の無意識の心理や好みなど、言語化が難しい部分を可視化して定量評価することができます。

顧客本人が認識していない感情や想い=「消費者インサイト」の調査にもニューロマーケティングは活用でき、消費者インサイトを把握することで、より効果的なマーケティング施策を立案できるのです。

□ ニューロマーケティング誕生の背景

ニューロマーケティングの背景には、似たようなスペックの商品が並び、情報が溢れかえる現在、マーケッターにとって大切なのは顧客の感情や本音を知り、それを商品・サービスのマーケティングに活かし顧客を引き寄せること。

お客様が何か商品・サービスを購入するとき、何を決め手として購入するでしょうか。
これまで購入のきっかけとしては「値段」や「美味しさ」「デザイン」「信頼」「安心」など多くのトリガーが考えられてきました。

しかし、実際に購入している消費者の心情としては、たとえ「美味しい」だとか「デザインがいい」という理由があったとしても「なぜ美味しいと感じたのか」「なぜそのデザインが好きなのか」と問われれば「なんとなく」と多くの人がこのように反応することが考えられます。

その「なんとなく」は消費者としては言語化以前の出来事であり、アンケートなどでは消費者の意見として表出しづらい部分なのです。その結果、この「なんとなく」は重要なトリガーであるにも関わらずマーケターにとって分析不可能なものだったのです。

そこでニューロマーケティングの登場です。
この「なんとなく」や言語化以前の感情を脳科学で解き明かし、マーケッターにとって分析可能なものにしようという動きが活発化したのです。

□ ニューロマーケティングの3つの指標

①生理指標
脳波・前頭葉に流れ込む血液量・心拍数や脈拍数といった身体に関わる生体反応の数値です。
これらの反応は自分でコントロールできるものではなく、無意識の心理と連動して変化するため、これらの情報は隠された感情を分析する時に有効とされています。

②行動指標
人間の心身の働きをテストなどを用いて心身の変化を定量的に分析したデータのことです。
例えば、商品・サービスを目にした時の視線の動き方や、反応を起こすまでの時間などが挙げられます。

③主観指標
これまでのアンケートやヒアリングなどの手法をニューロマーケティングを組み合わせて得た結果のことです。
例えばアンケートでポジティブな回答を得た広告に対し、アイトラッキングを実施し、広告の見られている箇所を分析することで具体的に何がポジティブな印象を与えているかを理解し、その後のマーケティング活動に応用するなどが挙げられます。

□ これらの指標の代表的な調査方法

まずは先ほども述べたアイトラッキングです。人間の目の動きを分析し、どこに視線を集中させているか、いつ視線を動かしたかを調査することで、チラシなどの効果測定、またよりインパクトを与えるデザインの立案に活用できます。

また、このアイトラッキングに類似したものに表情認識があります。文字通り顔の動きといった表情を計測する技術のことですが、目やまゆげ、唇の動きやその表情から感情を科学的に判断し、好意的に受け取っているのか、それとも嫌悪感を抱いているのか、などがわかるようになりました。

最後にfMRIとEEGといったそれぞれ脳の働きを調べる調査方法があります。
fMRIでは磁力を利用することによって脳内の血液の循環量を調査、そして、血液量によって脳の活性している部位や活性の程度を調べることで、商品・サービス利用時の脳の反応の定量評価が可能になります。一方、EEGでは電極を頭に貼り付け、外的刺激によって変化する脳波を調べることで、商品に対する脳の反応をチェックすることができます。

fMRIは脳活動を幅広く分析できることから、得られるデータの信頼性は高いとされていますが、MRIの使用が欠かせないため、実施できる施設が限られることやコストがかかることには注意が必要です。

□ ニューロマーケティングの活用事例

ニューロマーケティングはまだまだ新しい技術ですが、すでに採用され成功を収めている商品も存在します。

・赤ちゃん用おもちゃ
赤ちゃんは言うまでもなく自由に言葉を操ることはできないため、赤ちゃん用品の制作・販売は赤ちゃんの詳細なレビューを得られないという問題を抱えていました。そこで、あるおもちゃメーカーは赤ちゃん用のおもちゃを開発するにあたってニューロマーケティングを採用し、250人の赤ちゃんを調査しどのおもちゃが最も赤ちゃんが興味を示すのかを調査して、新商品を制作しました。

・企業ロゴの変更
企業のロゴは顧客に会社のイメージを印象付ける点でとても重要なものです。そこで、ある企業が行ったのは、成人10人の脳反応の調査を実施。「記憶」と「共感」を司る脳の部位の活性具合を調査し、新しいロゴを採用しました。

□ ニューロマーケティングのメリット

ニューロマーケティングのメリットは、言語化できない消費者の「無意識」を情報データとして手に入れられるようになるという点があります。深層心理の底に存在する潜在ニーズを理解できるため、研究開発や商品企画、販売促進、顧客満足度の向上など幅広いシーンに応用することができます。

さらに、時間ごとの目に見えない感情・心理の移り変わりの変化を定量データとして分析ができることで、商品の認知から購買までの意思決定のプロセスまで可視化することができます。このような意思決定プロセスを定量的に理解できれば、「広告の打ち方」「店舗の内装」「商品の陳列方法」など、商品購入を促せるマーケティング施策の立案が可能になります。

□ ニューロマーケティングのデメリット

ニューロマーケティングはメリットだけではありません。
ニューロマーケティングでは、個人情報である消費者の生理情報や行動情報を分析してマーケティング活動に役立てるため、倫理的配慮が必要になります。また取得したデータが万が一、流出した場合は、第三者に悪用されるおそれもあるため、安全な情報管理を徹底する必要があります。

またニューロマーケティングをマーケティング活動に応用する際は、脳科学分野における知識、設備、技術が必要なため、アウトソーシングするための費用が必要です。

□ まとめ

いかがでしたでしょうか。

まだまだ新しい技術であるニューロマーケティングには個人情報としてのデータの取り扱いや、専門分野であるための知見、アウトソーシングの費用などさまざまな課題もありますが、脳の動きや視線、表情を科学的に定量化することで、人間の潜在的な意識、言語化されない感情を判断できるというのは、マーケッターにとっては非常に魅力的です。

今後、脳科学の技術の進歩により、セオリーや理屈でマーケティング施策を行うのではなく、脳波から分析されたマーケティング施策が活用される時代になるかもしれません。

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