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どれだけデジタル技術が進み便利な世の中になっても、人との関係性を正しく育むこと、これはアナログにしかできません。
アナログの紙媒体であるニュースレターは、直接手に触れる、目にしてもらうことができます。
互いの五感に訴えかけ、感情を交換しあっていくことは関係性を築いていくうえでとても大切なこと、その積み重ねで好感や親しみ、信頼が育まれていくものです。
ニュースレターは新聞や広告の種類に分類されています。
では、私達が新聞を読む時の意識はどのようなものでしょうか?
なにか自分にとって有益な情報を収集したり、記事を読んで笑ったり怒ったり、感情を大きく動かされています。
つまり、なにかを売り込まれるという意識では読まず、注目しているのは記事です。
ですからニュースレターにはセールス・広告・売り込みをしないこと。
お役立ち情報や社長・社員の日常、人となりを素直に発信していくことで、顧客の感情を動かし、関係性構築をすることが目的だからです。
さて今日はニュースレターについて注目してみます。
■ ニュースレター
目的:接触回数・信頼関係の構築
構成:読者が知りたい情報・役立つ情報・写真が中心
視点:長期的
指標:記憶度・信頼度
1ヶ月に1回程度
■ DM
目的:売り込み
構成:発行者が伝えたい情報・売り込みの情報・コピーが中心
視点:短期的
指標:売上率・成約率・反応率
都度発行
ニュースレターは目的が売り込みではないため、直接的な受注や売上アップにはつながるものではありません。
しかしお問い合わせやお手紙を頂いたりと付随的な効果があります。
すぐには実りがないけれど、実りをもたらす土壌を耕すようなものです。
■ メリット
覚えてもらえる
信頼関係が構築できる
ファンが増える
コミュニケーションのきっかけになる
紹介や口コミへ発展する
■ デメリット
手間がかかる(時間・コスト)
担当者をおかなければならない
ネタ切れする
継続が難しい
多くのメリットもありますが、残念ながら多くのデメリットも存在します。
特に中小企業においてはリソース不足という問題を抱えていますので、なかなかニュースレター発行をすることは難しいかもしれません。
すぐに売上にはつながらないニュースレターですが、顧客との接触回数を増やし、好感、親近感を持ってもらうこと、自社の商品・サービスの専門的なポジションを確立すること、顧客の頭の中で忘れずに覚えていてもらうこと、それによって売り込まなくても売れるようになるという大きなメリットがあります。
特筆したいのは、ニュースレターのコンセプト・テーマが大事だということ。
文字離れが進む今では、読者がニュースレターに目を向けているのは7秒と言われています。
まずはすべて読まなくてもわかる「タイトル」の工夫が必要です。
気をつけなければならないのは売り込み感を減らすため、絶対に会社名をニュースレターのタイトルにしないことです。
次にコンセプト・テーマですが、読み続けてもらうためには「この会社でしか読めない!」と思わせるようなコンテンツが必要になります。
そのためには「企画力」を鍛えること。
常に周辺でどのようなことが起こっているのか、海外では何が流行っているのか、顧客は今、何を知りたいのか、とにかく色々な好奇心を持ってアンテナを張っておくことが大切です。
では具体的なコンテンツはどのようなものにすればいいのでしょうか。
①顧客を育てて信頼を得る
育てると言うと少し横柄な言い方かもしれませんが、顧客に利便・利益につながるような専門的なコンテンツを提供し、正しい価値判断を提供すること、という意味です。
お役立ち情報、困っていること悩んでいることへの解決策を提供することで、信頼を高めることにも繋がります。
例えば、商品サービスの開発秘話、こだわり情報、理念なども価値を高める情報、専門的知識を発信していきましょう。
②自己開示をする
なかなかできそうでできないことではありますが、会社や商品、スタッフに関するニュースを積極的に紹介していくことです。
友人関係においても自分から心を開かなければなかなか相手も開いてくれないもの。
それは顧客との関係性においても同じことです。
自社の情報から先に提供していくことで相互の理解が進んでいきます。
例えば、会社であればオフィス内や会議中の風景、スタッフの自己紹介や仕事への思い、エピソードなど、社長の一言があってもいいかもしれません。
③お客様の声
既に自社のファンであるお客様に出てもらうのは良い方法です。
第三者の声は最も信頼されるというウィンザー効果を活用しましょう。
せっかくニュースレターを始めても数回で終了となっては、顧客には逆に不信感が残ってしまいまいます。
業務時間・予算・継続できるテーマをしっかり選ぶことは大切ですが、一方通行とならないよう読者がどのような情報・コンテンツを求めているのか把握すること、自己満足で終わらないよう読者のニーズに答える努力をしていきましょう。
読者アンケートを行ってフィードバックをしてもらう導線を準備しておくとよいかもしれません。
また社員紹介やお客様からの声の紹介はその企業のニュースレターでしか読むことのできない特別なコンテンツです。
社内にもニュースを配信していることを周知させて、魅力的なコンテンツを作るために社内外に協力してもらえる体制をつくるように意識していくことです。
ニュースレターはあくまでも、顧客との関係性を築き上げるためのもの、顧客にも知識をもってもらい信頼を得ることが最大の目的です。
その関係性があるからこそ、他の販促ツールが活きてくる、集客が簡単になっていくと言えます。
顧客がファンになってくれる時にはいつも「驚き」から始まる。
ニュースレターで発信する情報もいい意味で顧客を裏切り、楽しませるコンテンツ・テーマを提供していくこと。
そうすればお互いの距離を一気に縮めことができ、ファンがどんどん増えて、長く愛される会社になっていくにちがいありません。